ONDOホールディングスはグループで現在12店舗の温浴・宿泊施設を運営していますが、そのほとんどが別事業者から引き継いだ店舗をリニューアルして運営しています。実際に施設を引き継ぎ、運営・再生を行ってきた経験から、この分野でのノウハウを豊富に持っています。

事業承継・M&Aの専門家はたくさんいますが、温浴施設の事業承継・M&Aについては、少し特殊な要因があり、実際に詳しい人は少数ではないかと考えます。
そんな背景もあり、先日、船井総合研究所の経営戦略セミナー内 研究会分科会にて、代表の山崎が表題のテーマで講義を行いました。
1 財務・収益構造の精査
2 施設の物理的状態
3 顧客基盤と市場環境
4 法務・契約関連
5 従業員と運営体制
6 ブランド・評判
7 リスク管理
8 M&Aの目的とシナジー効果
9 デューデリジェンスの徹底
10 交渉と契約
上記内容の講義の中から、「こんな考え方をしています」「こんな点に注意するべき」という部分を少しだけ抜粋して、ご紹介します。
財務・収益構造の精査
(1)収益源の確認
温浴施設の売上をつくる部門構成として、入浴料、飲食、売店、リラクゼーションなどがあります。このうち、どの部門がどれだけ売り上げているのか、どれぐらい伸びしろがあるかを見極めましょう。
例えば、入浴料比率は、業態によっておおむね下記のようなイメージです。
・健康ランド 40%
・日帰り温泉(飲食 フルオペレーション) 55%
・スーパー銭湯(飲食 食券制) 70%
上記と比べて、実態はどのようになっているでしょうか。


(2)コスト構造
温浴施設の3大コストを認識したうえで、特異性・特徴を分析しましょう。温浴施設の3大コストは水道光熱費、人件費、地代・減価償却です。
《3大コストと適正値イメージ》
・水道光熱費 10%〜20%
・人件費 20〜30%
・地代家賃並びに減価償却 10〜20%
水道光熱費は、施設ごとに、どんな設備を使っているかによって大きく異なります。井戸水を使っている施設であれば、水道代が低く抑えられているでしょう。ボイラー燃料は何を使っていますか。


(3)財務健全性
過去数年の財務諸表を確認し、債務状況やキャッシュフローの安定性を評価します。隠れ債務や、未実施の設備更新がないかをよく見極める必要があります。
温浴施設においては、「引き継いだ直後に莫大な修繕やメンテナンスの費用がかかった」なんていうこともよくあります。 温浴施設の中核設備の耐用年数やメンテナンス状況を確認し、引き継いだ後、数年間で必要になりそうな費用も考えておきましょう。
・ボイラー
・ろ過機
・配管
・井水・源泉タンク
・ポンプ


顧客基盤と市場環境
(1)顧客層の分析
どのエリアからどういうリピート率で来ているか、口コミ評価などを分析、伸びしろを見る。
《温浴施設の商圏》
スーパー銭湯 20分圏内 80%
健康ランド 30分圏内 80%
(2)地域需要
温泉地や観光地の場合は観光需要の変動、季節性の確認。通常、温浴施設の利用者数は1月、5月、8月が多くなります。これ以外に突出したピークがある場合には、どんな外部要因があるのかを分析しましょう。


事業承継・M&Aのプラン
買収後の運営計画やリブランディング、リニューアル計画を事前に策定しておくといいでしょう。向こう5年ぐらいで、どれくらいの設備投資が必要になるでしょうか。既存の事業とのシナジーも考慮して、目指す形を描きましょう。

温泉道場では、上記のような事業承継・M&Aのサポート業務から、承継後のリニューアル計画作成のお手伝いが可能です。もし温浴施設の事業承継をご検討中であれば、ご相談ください。
https://ondoholdings.com/contact/
温泉道場が提供できること
私たちの本業は、温浴施設・宿泊施設の開発・運営です。実際に事業を行っているからこその成功例・失敗例を積みかさねた上でのアウトプットができることが温泉道場のプランニングの強みです。経験豊富な部長級以上のメンバーが実施します。

