こんにちは。ブランドデザイン室 アートディレクターの星です。
なんとこの冬、東北初のおふろcaféとして「おふろcafé yusa」が山形県に誕生しました。
入社2年目の私は、今回初めておふろcaféの新規店舗の立ち上げに携わらせていただきました。福島県生まれの私にとって、東北におふろcaféができることはとても感慨深く、「地域を沸かす」ためのさまざまなヒントを得ることができました。今回はこの場をお借りして、おふろcafé yusaの空間やコンテンツを紹介したいと思います。
おふろcafé yusa とは…?
おふろcafé yusa がオープンしたのは「黒沢温泉 悠湯の郷ゆさ」の中。創業70年を迎える山形県の老舗旅館グループである株式会社旅館古窯が山形市内で運営する温泉旅館です。これまでの宿泊施設としての機能はそのままに、「果樹園×クラフト×カフェ」がコンセプトの暖炉のあるリラックススペースやフルーツ色のソファエリア、 吹き抜けのロビーから2階へ続く、本や山形の工芸品に囲まれた大階段など、ゆったり過ごせる空間が加わりました。
古窯グループは「今日、この瞬間に、最高の山形を。」を企業理念にしており、山形が誇る農村文化の良さ、素朴で美しい里山の暮らしを日本・世界中に広げるために、個性ある目的地を創造しています。
「山形全体を盛り上げたい!」という強い想いで様々な事業を運営しており、その中の一つとして、今回のおふろcaféオープンを私たち温泉道場と一緒に約1年以上前から進めてきました。
▼リニューアル前のロビーの様子
▼開発ミーティングの様子
おふろcafé yusaのコンセプト
コンセプトは、「果樹園×クラフト×カフェ」。果樹大国山形のフルーツと歴史のある工芸品の数々からヒントを得て、空間の造形やロゴなどのデザイン、家具や細かい備品選定などを進めていきました。館内のあらゆるところにフルーツと工芸の隠れたポイントを詰め込みました。
ロゴもブランドデザイン室で制作しています。自然豊かな山々(蔵王連峰)やサウナから出る蒸気、水風呂、温泉、そして山形の名産のフルーツをロゴに詰め込みました。お店の名前であるゆさと温泉を意味する「ゆ」の文字が象徴的です。
リラックスできる空間
早速、空間をご紹介します。
■1階ブックラウンジ
入口を入って直ぐに目につくのが吹き抜けの高さを活かしたブックラウンジ。
木を基調とした大階段には、館内にある 8,000 冊を超える本の中から厳選した書籍やクラフト・雑貨を並べました。本棚に囲まれた空間の中はまるで秘密基地のような空間が広がっています。床に座って、ソファに寝転んで、机に向かって…など様々なくつろぎ方が楽しめます。
■リラックススペース
フルーツをモチーフにした「フルーツソファ」や自分だけのおこもり空間でリラックスできる「ヒトシェルフ」、ゆったり読書を楽しめる「ファイヤープレイス」が広がっています。お家型の入り口をくぐると、小さなお子様でも楽しめるキッズスペースが。ボールプールや絵本など、小さなお子さまから大人の方まで楽しめる空間になっています。
暖炉のそばでは、無料コーヒーを飲んだり読書を楽しめます。
お子様が楽しんでいる間も、リラックススペースで大人の方がくつろげます。さらにグループでも楽しめるよう、ボードゲームも30種以上揃えています。
■ロウリュサウナ&サウナガーデン
山形県では珍しいセルフロウリュが可能な大型サウナ室。カップル、ご家族で一緒に入ることのできる水着着用型のサウナです。日本でも数少ないドイツ製のサウナストーブと、4段もある広いベンチがポイント。ロウリュをすると90℃近くまで温度が上昇し、体の芯から温まります。水風呂はボタンを押すとジャグジーに…! 冬は芯から温まった後に雪ダイブで極上のととのい体験が楽しめるかも…!?
室内にあるサウナラウンジでは、山形県産フルーツを使用したデトックスウォーターも楽しめます。水着の貸し出しやサウナハットやTシャツの販売も行っています。
■カフェレストラン
山形県の素材やフルーツを使用した料理やスイーツが楽しめるカフェレストラン。随所にコンセプトカラーをあしらい、テラスが見える開放的な空間がポイントです。おふろcafé オープンにあたり、メニューも温泉道場の飲食事業部が共同で開発しました。定食やパスタ、丼もの、サ飯、デザートなど30種類ものメニューが楽しめます。
▼自分で包む季節のフルーツを使用した手織り大福
▼米の娘豚グリル、りんごとアチェートバルサミコソース
おふろcafé yusaを訪れた際はお気に入りのくつろぎ空間をぜひ見つけてみてください。まだまだ紹介しきれていない館内の空間や楽しみ方は公式SNSでも随時情報公開しておりますので、ぜひご覧ください。
【公式】黒沢温泉 おふろcafé yusa
HP:https://ofurocafe-yusa.com/
Twitter:https://twitter.com/ofurocafe_yusa
Instagram:https://www.instagram.com/ofurocafe_yusa/
おふろcafé yusaのご紹介はこのへんで….。折角の機会なので、1年以上ゆさの皆さんと一緒に走ってきた中でのエピソードや開発のポイントなどを書いてみたいと思います。
おふろcafé yusa で働くきっかけ作り
私たち温泉道場は「地域活性」を目指しています。「地域活性」といっても、ただ人を地域に呼び込むのではなく、そこに雇用を生み、地域にお金を循環させるというサイクルをつくることを地域活性と考えています。お客様に施設やイベントを楽しんでもらうだけでなく、この場所で働きたいと思える仕掛けづくりも大切にしています。そんな「働き方」の仕掛け作りで私が携わったのは「スタッフユニフォームの一新」です。
これまでの「旅館」のイメージを払拭する、セレクトショップのようなコートタイプのユニフォームを提案させていただきました。おふろcafé yusaのテーマでもある「クラフト」は、働く人がクラフトマンとして、アトリエのように新たな価値を創造し続ける場所でありたいという意味も込められています。
このイメージを身なりから形にしていくことで、おふろcafé yusaで働くメンバーの想いもよりお客様に伝わっていくのではないかと考えました。また、おふろcafé yusaのターゲットも変化していく中で、若い世代にユニフォームデザインを通して「ここで働いてみたい」と思っていただけるきっかけになれるようなデザインを目指しました。
また、このユニフォームで仕事をするスタッフの皆様にも遊び心の気持ちでお客様をお迎えしてほしいという想いから、ピンバッチ型の隠しフルーツのアイテムを制作させていただきましたゆさの皆様からも好評で、一人一人の個性も見えるようなユニフォームに仕上がりました。とても、お気に入りです。
これまでの経験を活かした空間作り
空間の中でも、ひときわ目に付く本棚。
実はこれ約1,500棚もあるんです…! この圧巻の本棚をどう演出していくかもブランドデザイン室の先輩の安原さんとたくさん悩みました。おふろcaféのキーワードでもある本を活用しつつ、yusaらしさを出せないかと考え、今回のコンセプトでもある「果樹園×クラフト」をイメージした色や工芸品をキーワードに構成していきました。耐震や転落防止など防災面も考慮しながら丸5日ほどかけて棚の一つ一つを埋めていきました。
フルーツを連想させる色合いや、山形の工芸品などを使用した圧巻の本棚が出来上がりました。ぜひ、お好きな本や備品、隠しフルーツなどを探してみてください。
最後に
約1年前から関わらせていただいた初めての開発案件。まだまだ経験も少ない中で、何度もゆさの皆様とコミュニケーションを重ねて、企画の部分からオープンまで走り抜けました。おふろcafé yusaを、山形をはじめとした地域の方々に体験していただけることが素直に嬉しいです。
ゆさの皆様の「山形を盛り上げたい」「お客様に素敵な体験を届けたい」という想いに触れるたび、おふろcafé yusaがこれからどんどん進化していき、きっと来るたびに新しい発見や出会いのある場所にパワーアップしていくだろうと感じています。特に、ゆさの皆様の「おもてなし」の精神は勉強になることばかりで、私自身の今後の業務や店舗運営に活かしていきたいと思っています。
長くなってしまいましたが、おふろcafé yusaが山形に来たくなるきっかけや、山形を沸かす基点となり、たくさんの方に愛される場所になっていけると嬉しいです。おふろcafé yusaはこれから始まります。乞うご期待です!
ぜひ皆様、山形に遊びに来てください!
黒沢温泉 おふろ café yusa(黒沢温泉 悠湯の郷 ゆさ内)
住所:山形県山形市大字黒沢 319-2
営業時間:10:00〜22:00(最終入館 21:00) カフェ・レストラン 11:00〜21:00(ラストオーダー 20:00)
※ご宿泊者のお客さまは、館内は 23:00まで利用可能。サウナエリアは翌朝 6:00よりご利用いただけます。
https://ofurocafe-yusa.com/
NARUMI HOSHI
Twitter :https://twitter.com/narumi_hoshi__
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