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【インターン生・課題ブログ】私と冷や汁と温泉と~ときがわ町、夏の思い出~

温泉道場

はじめまして、インターンシップ生の髙橋佳菜と申します。5日間、温泉道場にてインターンシップを実施した課題の成果として、ブログを書きました。私のブログが公開されるのはとても緊張しますが少しでも多くの人に読んでもらえたら嬉しいです。

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夏と言えば、と聞かれてみなさん何を思い浮かべますか?海、プール、祭り・・・答えは人それぞれです。私は夏は、と聞かれて「ビール」と答えます(*父の影響)。夏になると、日常的にそして口癖のようにつぶやく言葉がありますね。そう、

「暑い」

です。そしてこの暑さにより皆さん食欲も失せてしまっていることでしょう。食べることが大好きな私でさえ夏の食欲の低下には勝てません。この夏の暑さの中でもおなか一杯食べられるものはないだろうか、そう考えていた時に出会ったのがとある郷土料理でした。その名を「冷や汁」と言います。では私が冷や汁と出会った夏の思い出を少し語りましょう・・・。

2016年8月9日〜8月13日の5日間、私はインターンシップ生として株式会社温泉道場が運営する「昭和レトロな温泉銭湯 玉川温泉」にお世話になりました。今回は繁忙期での参加ということもあり、経営企画本部 メディア事業部のインターンシップに参加することになりました。将来は宿泊業に勤めたいと考えており、就職した先の地域活性化のために、私に何ができるのか、それを学ぶために温泉道場をインターン先として選びました。玉川温泉の特徴として名前の通り「昭和レトロ」をコンセプトとし、家族三世代で楽しめること、そして泉質としてはアルカリ性が強く肌がすべすべつるつるになる美肌効果があります。さて、いろいろな期待に胸を躍らせた初日、今回のインターンで私の5日間のプログラムを担当してくださるメディア事業部の野村さんと、これからの流れを確認していました。そうしたらあっという間にお昼の時間に・・・そして私は今回のインターンでディープインパクトを与えた冷や汁と出会います。

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なんだ・・・めんつゆが黒くないぞ?パッと見だけならおうどんだ。しかしこのめんつゆは一体何だ・・・。

玉川温泉の食堂で初めて目にした料理、その見た目に驚きながらも、さっそく食べてみることにしました。一口食べてみた瞬間、今までに味わったことのない味覚と風味が口に広がっていく・・・味噌とごまのお汁だが、強調されたごまの香りが食欲をそそり、さっぱりしていて冷たくて食べやすい!お汁の中にもともと入っていた、きゅうりのやや硬い食感とおうどんの柔らかい食感が合わさり歯ごたえも抜群。みょうが、ねぎ、しそなども好みで加えることにより、自分の好みに合わせ食べやすい味にできる。冷や汁を食べ進めていた私は、ここであることを思い出しました。

「この夏の暑さの中でもおなか一杯食べられるものはないだろうか」

そう考えていたことに。まさに目の前のこの料理こそ!夏の食欲低下防止になる!と気づいてしまったのです。これが「冷や汁」と呼ばれる郷土料理です。

夏限定のメニューとして、今年開発されたこの冷や汁。メニュー開発担当の早乙女さんに詳しくお話をお伺いしました。

玉川温泉の冷や汁は、料理長のこだわりとしてごまの風味が強くなっている、とのこと。季節メニューとして冷や汁を取り入れたのは「グランドメニューにないものをお客様に提供しよう」と考えたことがきっかけだそうです。夏野菜もときがわ町産を利用して、お米も埼玉県産のものを利用しています。本来冷や汁はご飯にかけて食べる料理ですが埼玉県ではおうどんのお汁として食べることが一般的、ということも教えていただきました。

私が冷や汁に感動していると野村さんからこんなお話が。

「ここ、ときがわ町の中にあるお店だけで冷や汁の味はそれぞれ違っていて差別化されているんですよ。」

つまりどれ1つとして同じ味のものがなく、様々な味わいをこのときがわ町内のお店で楽しめる、ということ。なんて魅力的なことでしょう。まさかインターンシップにきてこんな“美味しい”情報を手に入れることができるとは。もちろん冷や汁を食べることが目的で玉川温泉に来たわけではありません。

今回のインターンシップで達成する目標は“おふろから文化を発信する”という企業理念を具体化し、成果物を残すこと。

ということで、ブログを成果物として“文化を発信する”ことが今回の課題となりました。ブログで発信する文化とは何なのか、それがまさに「冷や汁」という食文化のことだったのです。

『ところ変われば品変わる』ということわざがあるように玉川温泉周辺にも車で行ける距離に様々な冷や汁を味わえるお店があるそう。インターンシップでの課題を成功させるために私は野村さんと冷や汁を取り扱う店舗へ向かいました。

まずは「しいの木」。開店したばかり、まだ新しいお店で、シンプルにまとめた外観にちょっとしたオシャレを取り入れた建物は喫茶店を想起させるものでした。店内も落ち着いた雰囲気で家族とゆっくりと食事をしたり、のんびり過ごしたりするのにいいですね。

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お店の中に入りさっそく冷や汁を頂くことに。果たして「しいの木」の冷や汁はどんな味なのでしょうか・・・

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・・・お分かりですか?麺が二色に。一見おそばに見えるこの麺、これをおかみさんは「ふすま」と呼んでいました。実はこれもおうどんなのです!小麦の外殻を加工したもの(ふすま)を練りこんであり、良質な食物繊維をたくさん含んでいるため栄養たっぷりです。そして気になる冷や汁はというと、ここで皆さんに思い出して欲しいことは玉川温泉の冷や汁の色です。玉川温泉の冷や汁は、ごまを強調したため、やや白っぽい色をしていました。しかし、「しいの木」の冷や汁はやや赤茶っぽくて見た目と香りから推察すると、ここはお味噌を強調した冷や汁なのでしょう。

おうどんを冷や汁に浸し口に含むとお味噌の濃い味が広がります。ですがしょっぱ過ぎず、冷や汁の中に入っているきゅうりにも味が浸透しているのか、おうどんと一緒に噛みしめると更に味が濃くなっていくように感じられました。お味噌がしょっぱ過ぎないのは「しいの木」のおかみさん(岡野さん・写真)のお客様に対するお心遣いだそうです。お母さんの視点で考えられた「しいの木」の冷や汁は今の季節に必要な栄養と「おふくろの味」が含まれた料理でした。

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次は「セルフうどん高柳屋」。創業60年の老舗、高柳製麺所の直営店舗で手作業にこだわった名店です。ここではサイクリングの途中やドライブのお昼休憩に訪れたお客様が多く見られました。

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セルフうどん高柳屋の冷や汁をいただく時が来たわけですが、麺の量は今まで食べた中で一番多かったですね!肝心の冷や汁はというと

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おはぎは野村さんのおすすめということで一緒にいただきました。このお店では冷や汁の中にネギも、しそも、すべて入った状態でした。きゅうりも入っていますね。お味のほうはというと・・・実は食べたときに「お味噌?ごま?」というのが率直な感想でした。確かに美味しいのに口で説明できないこの味は一体何なのか。そう考えていた時に野村さんがこうおっしゃったのです。

「ここは普通の冷や汁と違って何か隠し味を使っていますね」

隠し味。その発想には至らなかった私は思わず「なるほど!」と言葉を発していました。なんの隠し味なのかまでは分からなかったのですが、若者にも食べやすいように味が調整されているようです。創業から変わらない麺づくりと昔からの郷土料理を組み合わせながら、幅広いお客様にも喜んでもらえるような工夫がされた老舗の冷や汁でした。

玉川温泉の食堂、しいの木、セルフうどん高柳屋と3つの店舗の冷や汁をご紹介しましたが、この3つだけでもどれ1つとして同じでないことがお分かりいただけましたでしょうか。しかし・・・実は!この3つの中で共通して“ある野菜”が出てきているのです。正解は「きゅうり」。

なぜ今きゅうりにスポットを当てたのか。実はきゅうりには美肌効果が期待されていてきゅうりパックなるものが存在します。そして私は現在、玉川温泉にインターンシップできていますが、初めでも述べたようにアルカリ泉質の効能として美肌効果が期待できます。つまり、お風呂に入ってつるつるすべすべのお肌になり、そして冷や汁を食べればさらにお肌に磨きをかけられるかも!?ということです!(笑)

「じゃあ冷や汁は玉川温泉の食堂で食べればいいね」

たしかにそうですね!でも、せっかくなら、玉川温泉から車で行ける距離で冷や汁を提供しているところはあります。ときがわ町の中に1つとして同じ冷や汁はありません。きっとあなた好みの冷や汁が見つかるでしょう。温泉でゆっくりしてから施設内の食堂で冷や汁を食べてもよし、お風呂の後にあなた好みの冷や汁を食べるもよし。あなた自身のときがわ町の楽しみ方を見つけてみてください!

 

【ご協力いただいた店舗のご紹介】

1.昭和レトロな温泉銭湯 玉川温泉 食堂

住所:埼玉県比企郡ときがわ町玉川3700

電話:0493-65-4977

営業時間:10:00~22:00(最終入館 21:30)
土日祝日のみ朝風呂営業:5:00~9:00(最終入館 8:30)

定休日:不定休

HP:http://tamagawa-onsen.com/

 

2.しいの木

住所:埼玉県比企郡ときがわ町大字番匠403-2

電話:0493-66-0330

営業時間:11:00~14:00

定休日:月曜日・木曜日(該当曜日の祝日は営業)

WEB:https://www.facebook.com/shiinoki.udon/

 

3.セルフうどん 都幾の丘 高柳屋

住所:埼玉県比企郡ときがわ町玉川1338

電話:0493-81-4411

営業時間:11:00~15:00 (麺の販売は17:00まで)

定休日:毎週水曜日、月に1回日曜日休みあり。(詳しくはお問合せください。)

WEB:http://takayanagiya.com/

 

■最後に〜インターンシップ5日間を終えて〜

私が自分で立てた目標は「働く上で今の自分に何が足りなくて、何ができるか」を見つけることでした。この5日間で私は「何が足りない」ではなく「私が今までどう社会を見てきたか」も見つけることができました。考えていたより早く過ぎた5日間の中で、それ以上のことを学べました。野村さんが初めに「この5日間はあっという間だ」とおっしゃった意味を今実感しています。充実していて、私にはもったいないと感じるほどです。地域活性をしたい、と言っていた過去の自分がどれだけ甘い考えを持っていたか。今回自分を見直すという意味では玉川温泉のインターンシップに参加できて本当によかったと思います。

5日間、私のインターンシップのために時間を割いて協力してくださった温泉道場の皆さま(特にオリエンテーションなど、貴重なお話を聞かせてくださった代表取締役社長 山﨑さん、懇親会の帰りに駅まで送迎してくださった経営企画本部の三ツ石さん、インタビューにこたえてくださった玉川温泉の早乙女さん、メディア事業部の野村さん、武藤さん、3日目に遅刻をしてご迷惑をおかけしてしまった玉川温泉の新井さん、玉川温泉の従業員のみなさま)、そして冷や汁の取材にご協力いただいた「しいの木」のおかみさん・岡野さん、ありがとうございました。

ときがわ町へまた来たいです。

東京国際大学国際学部国際メディア学科3年 髙橋佳菜

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