Ciao!(チャオ!) おふろcafé あげき温泉で勤務しているサウナ大好き遠藤です。先日、イタリアの温浴施設「AQUARDENS」で開催されたアウフグースの世界大会「Aufguss WM」を見るためイタリアに行ってきました。
アウフグースとは…
サウナ室の中で発生させた蒸気を、タオルで送り、体感温度を上昇させて発汗を促すサービスのこと。アロマの香りや音楽、舞台のようにストーリー性のあるパフォーマンスとともにお届けすることも。私は学生時代からアルバイトで熱波師をしており、現在もおふろcafé あげき温泉のサウナエリアでアウフグースを行っています。

学生時代の師匠「ジャーマン加賀」さん
あげき温泉ではアウフグースに力をいれています。パフォーマンスの監修にはアウフグースのプロであるAufguss Professional Teamのみなさまに入っていただいており、また三重県では唯一アウフグースを毎日2回行っている施設です。(2025年10月時点)

あげき温泉にお越しいただくお客さまの多くはアウフグース初体験の方が多く、まだまだメジャーなコンテンツではないですが、サウナブームが過熱していく中でファンがどんどん増えています。今ではアウフギーサーが「推し」と呼ばれる文化もできるほど。

おふろcafé utataneアウフギーサーたま助さんにも多くのファンがいて、全国からアウフグースを受けにやってくるファンの活動は、「追ったま」などと呼ばれることも。
そんなアウフグースの世界大会、日本とは何が違うのか見てみましょう。
アウフグース世界大会はここが違った!
1.サウナの規模
今回行われたAQUARDENSのサウナ室は、収容人数約300人ほど。アウフグースの本場ドイツの文化「ヌーディズム」を尊重し、イタリアでもこの日だけは裸でアウフグースを受けられるようになっていました。

写真提供:NiHITARU 副支配人ゆぼくん
サウナ室の中にはプロジェクターや音響があちこちにあり、ライティングに至っては、天井はもちろん床にも埋め込まれていました。真ん中には大きなサウナストーブが鎮座しており、あげき温泉の一番大きいサウナストーブのざっと10倍はある大きさだったと思います。
ここまで会場が豪華だと、自分だったら準備してきた演目が緊張ですべて飛んでしまいそう。
2.選手の演技力
今回の大会は、ショーアウフグースがテーマになっております。タオルの扇ぎ・アロマの香りに加えて演技力なども審査基準になっており、審査項目が多く難しいテーマです。
今回見て一番驚いた部分は、出場選手の演技力です。私は英語が話せません。そんな中でも、選手の表情やプロジェクターに映し出される映像、そのシーンごとに変わる香りの変化でなんとなくストーリーがわかるのです。

おふろcafé utatane フォレストいいださんのACJ2024のお手伝いで見た景色
今回、最も印象に残ったのは、世界6位で大会を終えたイタリア代表の「Simone Mannelli & Massimo Gelli & Michaela Platter」3名の演目です。
ホームサウナということもあり、床のライトをツイスターゲームとして使うユニークな発想、3人であわせるダイナミックな投げ技、ストーリー性すべてに無駄がなく、その演目を見るためならいつまでもサウナの中に入れるという感覚でした。
ほかにも、体操選手の大会優勝までを描いた演目では、サウナの中につり輪が出現し、アウフギーサーは熱い中タオルの技だけでなく、つり輪もこなしていました。サウナストーブの縁で座りながら生歌を披露する方もいたり、演目の中で喧嘩をするシーンでは涙を流したり…フィギュアスケートのように受け手の知識や感性も試される感覚を覚えました。
3.観客の熱狂度
私は今回が初めての海外だったのですが、1つの物事に対する熱量や感動をオープンに表現する文化が日本と大きく異なっている部分だと感じました。もちろん、アウフグースを愛する方々がその会場に足を運んでいるので盛り上がるのは当たり前なのですが、周りを気にせず、自分の世界に入る感覚は海外特有。スタンディングオベーションをサウナ室の中で見るとは思いませんでした。
私も気づいたら曲に合わせて体が揺れ始めたり隣の人と立って拍手をしていたり。日本でいうサッカーや野球のスポーツ観戦がサウナで行われているような感じです。
大会を観戦して…決断!
今回の経験を経て、日本でも海外に負けないくらいアウフグースを楽しみ、サウナ室の中で盛り上がる体験をしたいと同時に、盛り上げる側になりたいとも思いました。そんなわけで、2026年Aufguss Championship Japanへの出場を決めました! この決意は、10月に開催したあげき温泉のサウナイベント「あげきとさうな。」のトークショーの中でも発表しました。

私は昔からシャイで、人前には一切出たくない性格です。いつかはACJに出ると言いつつ、自分には演技は難しい…などの思いから避けてしまっていました。しかし世界のトップレベルのアウフグースやフィンランドのサウナなど、多様なサウナに触れた今、「サウナのさまざまな楽しみ方を私があげき温泉でお客さまに伝えたい!」という謎の使命感があります。
ここから半年、苦しい修行の日々になりますがそれすらも楽しんでいきたいと思います! みなさま、今後のジャーマンJr.にますますご注目ください。

