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梅雨に入りまして、ジメジメした天気が続いておりますが、みなさまお元気でしょうか?
はじめまして! 本年度、温泉道場に新卒入社しました久保光太朗です。わたくし24歳で大学院を卒業いたしまして、若さと活力にあふれて温泉道場の門をくぐったはずなのですが、なぜか「態度がでかい」「フレッシュさが感じられない」と散々ツッコまれ、ついたあだ名が新卒入社おっさん役員。
な・・・何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何を言ってるのかわからなかった・・・。催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなものじゃあ、断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・。
多分僕の周りにはメイド・イン・ヘブンがスタンド攻撃を加えているんだと思います。時は加速するって言いますし。
ここまで読んで、お前が一体何を言ってるんだ!って思った方は、ぜひ『ジョジョの奇妙な冒険』っていう漫画を読んでみてください。この記事がより一層楽しめると思います。
閑話休題。
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・・・さて気を取り直して。2017年4月6日、温泉道場の1DAY研修ツアーで新潟へ行ってまいりました! 3カ月も前のことになってしまいますが、ようやく記事を書き上げましたのでご報告をさせていただきます。
説明しよう! 1DAY研修ツアーとは?
大型バスを借り切って、1日でさまざまなイケてる商業施設をたくさん視察し、質の高い情報の洪水に触れることで、店舗運営に関しての重要なヒントを社員に持ち帰ってもらおうと、温泉道場が行っている研修プログラムだ。
当日のガイドを担当するのはなんと社長の山崎さん。前職のコンサルティング業務でやしなった経営やマーケティングなどの視点から、各施設の見習うべきポイントを車中マイク片手に怒涛の解説をしていただくという、すばらしく密度の高い研修なのだ。
「僕が社長である限り、この研修ツアーではマイクを持ち続けようと思います(キリッ)」(by山崎さん)
社員もスタッフも希望者は誰でも参加できるこのツアーでは、参加者が自分の意見を述べあう機会も多く設けられており、まさにインタラクティブな学びを得ることができる。
今回わたしたち一行が訪れた施設
そんなわけで今回わたしたち一行が訪れたのは、これらの施設です。
どこも魅力的な店舗づくりのヒントがきらめく、お宝のような場所でございます。まずは本社のある玉川温泉でバスに乗り込み(覚悟はいいか? オレはできてる)、さあいよいよ出発です!
トンネルを抜けるとそこは雪国でした
かの有名な小説の冒頭のような風景の中を、みんなを乗せてバスは行く。婚約中の翔太さんがフィアンセにGPS監視されているという話題で盛り上がりながら、ひとつ目の施設へと向かいます。
1. ぽんしゅ館
JR越後湯沢駅の中に作られた「越後のお酒ミュージアム」。新潟の豊かな自然と食文化を発信することをコンセプトとしてつくられたテーマ型ショップ&レストランです。
ここの最大の推しポイントは、越後の全酒蔵の日本酒を飲み比べることのできる「きき酒越乃室」。
なんと93もの銘柄をそろえた壁一面の試飲ゾーンがあって、最大おちょこ5杯分の利き酒を500円で気軽に楽しめる仕組み。気に入ったものがあれば併設の酒販コーナーで購入もできるという、まさに日本酒好きにはたまらないショップとなっています。
すべてのアイテムを揃えることのむずかしさや、数を揃えることでの商品力をあげる手法(「アイテムパワー」で検索してみてね)、かつそれらをたのしく魅力的に展示する見せ方に圧倒される一同。
個人的にはこの「ポ」のロゴマークもめちゃ可愛くて、ひらがなではなくカタカナの「ポ」にしたあたりが、流石と言うか分かってらっしゃるというか・・・。
さらにわたくし、日本酒+「塩」という風流な組み合わせをここに訪れて初めて知りまして、その意味でも本当に学びの多い場所でありました。
温泉道場のミッションは「おふろから文化を発信する」というもの。新潟の豊かな食文化を試飲という手法でお客様に体感してもらうぽんしゅ館は、文化発信のモデルとしてぜひとも参考にしていきたいと感じました。
2. むらんごっつぉ 湯宿「HATAGO井仙」井口社長のご講話
2つ目は、新潟駅の駅ナカにあるレストラン「むらんごっつぉ Cafe」。こちらで昼食タイムをとります。「むらんごっつぉ」とは、新潟の方言で「村のごちそう」という意味なのだそうで、その言葉どおり、魚沼地方の食材を用いた大変美味しい料理を堪能する一行。
こちらのレストランを運営しておられるのが、越後湯沢で今最もHOTな旅館「HATAGO井仙」を経営しておられる井口社長。
人口減少と旅行のスタイルの変化から多くの旅館の業績が悪化するなか、右肩下がりであった実家の事業を継承。時代のニーズに合わせてブランド価値を問いなおし、あたらしくその施設を「旅籠」というコンセプトで生まれ変わらせた井口社長ご本人に、ご講話をいただきました。
観光地としてのまちづくりを行う際に、地域の中に面白い拠点をいくつか作り、それらを繋いで滞在プランを考えていく=点を繋いで面にしていく魅力発信の仕方が大切であることや、「高単価 or 低単価」×「県外 or 地元」という4つの要素の重ね合わせでお客様の属性を見極め、それぞれのお客様が求めているものをしっかりと届けるという井口社長のお言葉に大変感銘を受けました。
ローカルで事業を行う際に求められるのは「この道でやりきる」「この土地に骨を埋める」という覚悟、そして一番大切なのは「人を好きになる」ということであると力強いメッセージを受け、同じくローカルを舞台として地域活性を目指すものとして、とても勇気づけられました。
震えるぞハート! 燃え尽きるほどヒーーーート!!
本当にありがとうございました!
3. 八海醸造
さらにディープな学びを得るため、一行が次に訪れたのは、なんとあの日本酒の雄、八海山。酒蔵のイメージを覆す、素晴らしく洗練された建物に案内していただきました。
「美味しさとは何でしょうか。それは『甘み』を上手にコントロールすることにあると思うのです」
そう解説してくださったのは今回案内をしていただいた工場の職員さん。そのお話ぶりから日本酒づくりが本当に大好きであることがひしひしと伝わってきます。
「感じるか感じないかのほのかな甘味が、舌先でほどけて香り立ち、すぐに爽やかに消えてゆく、そんな味わいをわたしたちは目指しています」
「八海山というブランドの価値を維持するために、わたしたちは“前年度よりも3割良いものを作る“ということを目標としています。同じものを作っていると、お客様の舌が肥えて味が落ちたと言われる。また2割良いものだと「いつも同じだね」と飽きられてしまう。3割良いものを作り、常にお客様の想像をいい意味で超え続けていくことがブランド価値を維持していく上で大切なのです」
一世紀弱に渡り日本酒づくりと向き合い続けてきた八海山だからこそたどり着いた、まさに至言というべきこの言葉。決して慢心することなく挑戦を続け、進化し続ける八海山の姿に、伝統と革新の融合を見たのでした。
最後におこがましいかと思いましたが、日本酒の魅力についてたずねてみました。
「日本酒の魅力は、様々な食に寄りそって、その美味しさを引き立てることにあるのだと思います。味には『五味』というあらわし方がありますね。突出した味を持つのではなく、その五味の全てを満たした状態が、わたしは日本酒の最もいい状態だと思うのです。」
主役の食事の美味しさを、消して目立たずに豊かに描き出す。それが日本酒の持つ最大の長所なのだと温かく語っていただきました。
わたしも地域に寄り添い、その魅力を引き立てられるような、そんな人材になりたいと思います。八海山のみなさま、本当にありがとうございました!
4. 田園プラザかわば
「1日まるごと楽しめる、遊べる食べれる道の駅」をコンセプトとしたこちらの施設。なんと東日本の道の駅ランキングで5年連続1位の超人気スポットです。敷地内にはピザやミルク、ソーセージ、ビールなど、様々な食品を作る工房が散らばり、まるでちいさなテーマパークのよう。とても1日では味わいつくせません。
各工房ではスタッフが食品を加工している姿を大きなガラス越しに見学することができ、施設全体を貫く軸として「食」をメインコンテンツにし、その魅力を伝えようとする高い意識を感じました。地元の人も利用しやすい品をそろえたファーマーズマーケットも併設され、観光客と地元の人のどちらにとっても価値のある場づくりに成功している、大変魅力的な道の駅でした。
5. 川場温泉 悠湯里庵
旅の終わりに一行が訪れたのは、まるで平安時代にタイムリップしたかのような美しいかやぶき屋根の日本家屋。こちらは群馬県北東部、川場村に位置する川場温泉 悠湯里庵。
こちらの施設の目玉は由緒ある日本各地の民家を実際に移築してつくられた、歴史の厚みを感じさせる店舗デザイン。梁が太い!
また館内にはオーナーの方が全国から収集した江戸から明治にかけて実際に使われていた箪笥(たんす)や筒描(つつがき)、武具や面などの古民具がまるで宝物殿さながらに展示されていて、そのクオリティと充実ぶりはちょっと他では真似できないくらいの『凄み』を感じさせます。まさに威厳と風格が香り立つ格調高い温浴施設と言えるでしょう。
外国人のお客様も積極的に受け入れている様子も見られ、自分たちの持つ価値を多くの人に伝えていこうとする姿勢に大変感銘を受けました。
まとめ
今回の1DAY研修ツアーを通して、魅力的な店舗づくりやその運営方法について、様々な角度から多くの学びを得ることができました。どの施設も本当に素晴らしかったですね。そこに痺れるあこがれるぅ!!
温泉道場ではこのように、社員やスタッフが成長できるようにと考えられた非常に充実した研修が数多く用意されています。今回の記事を通して、少しでも温泉道場の目指しているものがお伝えできれば嬉しく思います。
「おふろから文化を発信する」企業を目指して、これからも頑張っていきます!
いずれまたどこかで! アリーヴェデルチ!!