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こんにちは。紀伊半島を中心に西日本エリアを主に担当しておりますKii companyの山本未歩です!今回は、10月にNPO法人G-netさん主催の「ゼミ横断型越境フィールドワーク」という1泊2日の宿泊型イベントで三重県尾鷲市を訪れた様子をレポートします。
ゼミ横断型越境フィールドワークとは?
G-netは岐阜県で、人が集まる地域の生態系・文化の創出を目指す事業型NPO法人です。挑戦する地域企業と意欲ある人材を多様な形で繋ぎ、地域産業のイノベーションと次世代の担い手育成に取り組んでいます。今回のフィールドワークは、東海地域で活躍している企業の現場でテーマに沿ったフィールドワークを行うことで、 従来の人脈・地域・視野にとらわれない体験をするものです。
今回のフィールドワークのテーマは「企業の社会貢献性」。三重大学と愛知東邦大学のゼミで、ソーシャルビジネスを専門にしている8名の学生さんが参加しました。
大学生と対面して、お互いに自己紹介をしたあとは、おふろcafé あげき温泉へ。まずは、おふろcafé あげき温泉を運営する、旅する温泉道場 代表の宮本さんによる会社説明。
不採算の温浴施設を再生していることや、温泉の経営という、あまり聞いたことがないジャンルの話に学生たちは興味津々でした。
副支配人の岡田さんの案内で、館内をフィールドワーク! サウナラウンジ「Serow」に入った瞬間、アロマの匂いが変わったと気がついた皆さん。おふろcafé あげき温泉に合うようなアロマをオリジナルでお取引先さまに作っていただいています。「実際にフィンランドにいるみたい」との声も。
併設の宿泊施設「AGEKI BASE HOTEL」の中も見学。私自身、あげき温泉に行ったことがあっても、コンテナホテルの中に入るのは初めてで、木のぬくもりを感じる内装にワクワクしました。コンパクトですが、最大5名まで宿泊でき、宿泊者は朝のサウナを利用することができます。
ホテルはホテルでも、なぜコンテナホテルなのか。それには理由があります。災害時に仮設住宅に転用できるようにという意味合いでコンテナホテルとして運用しているようです。また、宿泊者の方に季節を感じるイベントを滞在時に楽しんでいただける取り組みも行っています。秋には、「落ち葉でランタンローソク工作」を行っています。やり方が書いてある手書きのPOPも可愛いです!
この日は「北欧サウナカフェLämpö(ランポ)」のオープン日でした。こちらのカフェは、岡田さんと宮本さんが実際にフィンランドに視察に行き、そこで見たものをベースに飲食開発をしたというこだわりの一品です。メニューは、ミートボールのマッシュポテトとベリーソース添え、ライ麦のオープンサンドなど、フィンランドの家庭的な味をそのまま再現しています。
私たちもミートボールと、ライ麦オープンサンドを実食! ミートボールにベリーソースは、不思議すぎる組み合わせだと食べるまでは思っていましたが、甘すぎないソースは意外と相性抜群でした。ライ麦オープンサンドは、スモークサーモンとパストラミの2種類あるのが嬉しいですね。あっという間にぺろりと平らげてしまいました。
尾鷲に到着!
熊野古道センターにて一般社団法人つちからみのれさんの取り組みについて聞きました。つちからみのれは、三重県尾鷲市を拠点とし、持続可能な地域をつくるために活動しています。具体的には、多世代の居場所「むむむ」の運営事業、企業研修などのコーディネート事業、ジャストトランジションの取り組みが主な事業です。温泉道場監査役・Kii company取締役の伊東将志さんもファウンダーを務めています。
ジャストトランジションーー私は、その言葉を初めて聞きました。これは、気候変動や生物多様性などの環境問題の解決に取り組むにあたり、公正かつ平等な方法により持続可能な社会への移行を目指す概念のことだそうです。尾鷲市は、日本で唯一火力発電所が解体され更地となった町です。これから世界中が直面するであろう社会課題の最先端地として「世界に先駆けるトランジションを迎えている町」とも言えるのです。
お話の中では、尾鷲ヤードサービスという企業の事例が出てきました。同企業の従業員様は、火力発電所の撤退により、尾鷲に残るのか、それとも外に出て別の仕事を探すのかという決断を迫られました。しかし、キャンプ場と農園の運営にチャレンジし、生まれ育った尾鷲の町に残る決断をしています。
尾鷲夢古道の湯で入浴!
夢古道の湯は、紀伊半島唯一の海洋深層水を使用したお風呂です。露天風呂には、尾鷲の景色を眺めながら入ることができる、信楽焼の白と水色の丸い浴槽があります。普通のお湯よりもミネラルを多く含んでいるお風呂を自然のなかで楽しむのは最高でした!
尾鷲の食材たっぷりの豪華な夕食!
食べる前から豪華すぎる夕食に私たちの目はキラキラに。この日の夕食は、お刺身盛り合わせ、虎の尾入り卵焼き、エリンギの唐揚げ、豚肉とごぼうの炒め物、そして土鍋ごはん。虎の尾は、三重県尾鷲市原産の青唐辛子です。おわせむかい農園では、虎の尾を使用した醤油が開発されており、この醤油とお刺身との相性が抜群です! 私は辛くて食べる事ができませんでしたが、生の虎の尾も、お刺身の横に用意されており、「追い虎の尾」をして食べることもできます。美味しいご飯をたくさん食べて、お腹いっぱいになりました。
焚き火の時間
炎を眺めながら、話したい人や、話したいテーマが近い人と、一緒に語り合いました。私は、三重大学の学生さんと1対1で、私がどんな就活をしていたかや、学生さんの就活の悩みについてお話しました。私はある学生さんととても気が合い、気がつけば私の悩みまで話していて、「社会人になっても悩む」という部分を見せる事ができて良かったなと思いました。相手の顔よりも、焚き火の炎を見ながら話すことで、初対面の相手とでもお互いにあまり緊張することなく話す事ができました。
むむむの「やまのはこ」で就寝
むむむは、つちからみのれが運営する、子どもからおじいちゃんまで誰もがふらっと立ち寄れる皆の居場所です。私達は、むむむで使われている一つの遊び場「やまのはこ」に宿泊させていただきました。普段、子どもたちが遊んでいる場所で宿泊するというのは不思議な体験でした。
おにぎりとさば。最高の朝ご飯から始まった2日目。
眠い目をこすりながら、朝食会場へ行くと島貫さんがおわせむかい農園の社長さんと一緒に魚を焼いていました。メニューは、さばの塩焼きと、鮭とこんぶ味のおにぎり、そして大根の葉とたくあんのお漬物でした。私の母も大根の葉の漬物をよく作ってくれていたので、懐かしい気持ちになりました。
「私が考える社会貢献」についてグループに分かれてディスカッション!
まずは、個人で社会貢献について考える時間。芝生の上で、尾鷲の海を眺めながら各自が考えていました。
グループワークでは、学生さんは、ゴミ拾いやリサイクルなどの奉仕活動を指す言葉が多く出てきました。それに対して、代表取締役社長という立場の宮本さんは売上をあげること、そして給与を従業員に対して払い、雇用を生むことと仰っていました。立場が違うだけでこんなにも社会貢献ということの捉え方が違うというのは興味深かったです。私自身、普段の自分が「社会貢献をしている」という感覚はありませんでしたが、働いて税を納めることが社会貢献という宮本さんの言葉に、ハッとさせられました。
2日間の振り返り!
締めくくりとして、この2日間で何を感じたのかを一人ひとり発表しました。
私もこの2日間、学生時代の自分が何を考えていたのか、そして今の自分は何を考えているのかを改めて考えたことで、自分の頭が整理され、すごく貴重な機会でした。尾鷲は、海も山もそして温泉もあって、良いところなので、また行ってみたいです。