「とにかく、裁量権が欲しかったんです!」そう語るのは、
・おふろcafé 白寿の湯 支配人
・地域ビジネス部でコンサルティング
・サバ養殖プロジェクト 事業責任者
と3つの顔を持つ、鎌田奈津実(かまた なつみ)さん。入社4年目にして、温泉道場の各部署で大活躍中の彼女は、ご実家で営む工場を継ぎ、「自分らしく、働くことを楽しめる社会」を作るノウハウを学ぶために入社したと言います。
なぜ、温泉道場という会社を選んだのか。思っていた通りの働き方ができているのか。これから先のキャリアをどのように考えているのか。日々、飽くなき挑戦を続ける鎌田さんに、語っていただきました。
いつか家業を継ぎたい―そのために、経営を学びたかった
温泉道場に入社したのは、ずばり、経営を学べる環境で働きたかったからです。サウナやお風呂が好きだから……と言いたいところですが、「埼玉 ベンチャー」で検索をしたときに真っ先に出てきたのが温泉道場のホームページだったんです。
前職は、大手人材サービスの会社で広告営業の仕事をしていました。かなり規模の大きい会社で、そこで私は、組織の一メンバーでしかありませんでした。役員になるのなんて何年も先の話で、そもそも圧倒的な成果を出さないと上にはいけない。そんな中で、未来を模索してました。
私の実家では、父が小さな工場を営んでいます。曾祖父の時代から続いてきた会社で、私もいつかは承継したいという想いを胸に抱いていました。そんな折り、埼玉勤務から東京勤務になったことで、自分の中に決定的な違和感が生まれるようになりました。
「未来のために、裁量を持って仕事をし、経営を学びたい」
「生まれ育った土地、埼玉で働きたい」
そこで出会ったのが温泉道場という会社でした。「この会社でなら、私の思い描いている働き方ができるかもしれない」そう思い、入社を決めました。入社するにあたり、私が掲げた目標は2つです。
1. 新規事業を立ち上げる
2. 3年で完全に権限がある役職に就くこと
社長が隣にいる、という不思議な感覚
以前の会社と温泉道場はいろんな意味で正反対です。
前職は新卒一括採用で、リクルートスーツをきて面接し、入社というお決まりの流れでした(笑)。
また入社後は、新入社員研修をはじめ、大手ならではの充実した育成環境に守られていました。一方、数ある社員の中で自分の役割やキャリアを見つけ、唯一無二の存在となっていくには、組織が大きすぎると感じたこともありました。
それに比べて、温泉道場は「カジュアル」と言えばいいのかな。面接も私はスーツを着ていきましたが、お会いした方々は私服でしたし、終始リラックスして受けることができました。
いざ入社してみると、社長との距離がとにかく近い。常に社長や役員クラスの、前職では声をかけることも許されなかったような役職の人たちが、すぐ隣で働いているので、なんとも不思議な感覚でした。
また、ある上司は、これまでに会ったことがないようなタイプの人でした。組織の中で働いているはずなのに、ご自身のものすごく強い趣味・嗜好を軸に動くんです。自分が上司だという態度も全く取らないし、常に人対人。典型的なトップダウン、上司からのきつい管理の下で働いてきた私にとっては、新しい経験でした。
チームや組織のマネジメントをしているという感じも全然ないんですが、最終的には皆に頼りにされているんです。
「本気で仕事を楽しんでいる人の魅力は、周囲を惹きつけるんだな」
「ここまで仕事を楽しめたら、本当に楽しいんだろうな」とものすごく学びになりました。
裁量を最適に使うということの難しさを知った
入社して3年目に、おふろcafé utataneの支配人になりました。これにより、3年で完全に権限がある役職に就くこと、という入社時の目標の一つはクリアできました。
実は温泉道場には「チャレンジ支配人」という制度があり、支配人という職を経験してみたい社員が立候補することができるのです。私はそれに手を挙げました。
いざ、支配人の立場になってみると、開示されている情報は社長の一つ下くらいまで。つまり会社のかなりの部分が見えることになりました。同時に店舗の運営については、ほとんど全ての権限を有することになります。
裁量権を求めて温泉道場に来た私にとって、これは願ってもない好機でした。ところが、個人的にはこの支配人の経験は、苦い思い出となることになります。ものすごく裁量がある反面、それを最適に使うことの難しさにぶつかったのです。
支配人の期間は1年間。その間は自分の言動や施策によって、店舗の売り上げが大きく変わってしまいますので、常にプレッシャーとの戦いでした。結果的に売上も思っていたように伸ばすことができず、「私には、まだ早かったな」という自己評価に終わりました。
やはりしんどかったのは、「結果が出ない」ということです。どうすれば売上が上がるのか、どうすれば結果が出るのか、その方法が分からなかった。
もっと人を頼ればよかった、もっと勉強すればよかった、など反省すべき点がたくさん浮かびます。
そしてもう一つ、「もっと鈍感でいればよかった」とも思います。
私は、自分を過小評価してしまいがちなので、人からどう見られているかとか、何を言われているとかが当時はひどく気になっていました。鈍感でなくても、鈍感でいようとする努力をしておけば良かった…と今は思います。
その立場でしか見えないもの、分からないものを体験でき、また自分の至らなさを発見できたという意味で、立候補したことを後悔はしていませんが、終わってみて悔しさが残るというのが正直なところです。
埼玉で、サバを育てる
さて、私にはもう1つ「新規事業を立ち上げる」という目標がありました。そのはじめの一歩となるのが、今私が事業責任者として推進しているサバの養殖プロジェクトです。
もともと一次産業に関わってみたいという想いを強く持っていたので、社内に養殖プロジェクトが発表されたときに、手を挙げ、メンバーとして参加することになりました。
プロジェクト発足時点ではまだ何の魚にするかも決まっていませんでした。メンバーそれぞれにアイデアを出し、最終的に私が提案した「サバ」が選ばれることになりました。
このサバ養殖プロジェクトについては、こちらのブログにも書かれていますので、ぜひ読んでみてください。
今は養殖場がある「おふろcafé 白寿の湯」で再び支配人となり、かつ養殖場の担当者として、出荷の準備や、設備投資の計画立てなどの業務も行っています。実際にゼロから新規事業が立ち上がっていく過程に携わることで、一番強く感じたのは
「あれこれ難しく考えすぎなくても、事業って立ち上がるんだな」ということです。
もちろん、トラブルもありましたし、今もまだ完璧に整っているわけでは全くありません。その裏でいろんな人達の苦労があって、少しずつ進んでいることは分かっています。ただ、自分たちが動くことで、事業が一歩ずつでも確実に立ち上がっていく実感を持つことができています。
温泉道場では「2028年までに5人の社長を輩出する」という経営ビジョンを掲げています。正直言ってそれまでは、代表である山崎が言っているだけ、とどこか他人事というか漠然としたイメージしか持てていませんでした。
しかしこうしてコロナ期にも関わらず事業が立ち上がっていき、また同時に他の温泉施設さんなど同業者が苦境に立たされている様子を目の当たりにする中で、この会社の強さであったり、代表の計画力や実行力を実感し、ただの絵空事ではないのだと、ようやく腑に落ちました。
「あ、私まだ、挑戦していいんだ」
いまは、施設の支配人とサバの養殖事業以外に、地域ビジネス部で温浴施設を持つ企業様のサポートや、事業診断などにも携わらせてもらっています。
先ほど話した通り、「チャレンジ支配人」は、私の中で1つの【挫折経験】でした。なので、結果を残すことができなかった私には、もうチャンスはないと思っていたんです。そんな、少し落ち込んでいたときに、地域ビジネス部を兼務することを今の上司から提案いただき、参画させてもらいました。
正直、今はまだ私自身が役に立てていることはほとんどないです。上司に同行し、その様子を横で見て、手を動かしながら、経営のこと、コンサルティングのことを実地で学んでいる最中です。
また、先日社長からも次のステップに挑戦してみないか、と声をかけてもらいました。それも重々しい感じではなく「やってみれば?」くらいの雰囲気で、私にはそれがすごく嬉しかったんです。
「あ、私まだ、挑戦していいんだ」って。
_________________________
温泉道場は、「やりたい」と手を挙げる人には、チャンスが提供される会社です。だからこそ、私も3つの顔を持ち、それぞれに悩みながらではありますが、日々邁進しています。
今も、家業を継ぎたい、あの場所で何か事業をやりたい、という想いは変わらず持っています。温泉道場で携わっている業務はどれも、いつか必ず未来の経営に活きると確信しているし、そうなるように仕事をしています。
私には、特別なにか人より優れた才能があるわけではありません。何か強烈な趣味や嗜好があるわけでもありません。なので、私にできることは、目の前の仕事に一生懸命取り組むだけです。
そして、今はそんな日々がとても楽しいです。
■温泉道場グループリクルートサイト
https://onsendojo-career.com/