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「旅する温泉道場」から「Kii company」へ ~社名変更に込めた決意と、僕たちが目指す新たなステージ

宮本 昌樹

こんにちは! 株式会社温泉道場の副社長であり、株式会社Kii company代表取締役社長の宮本昌樹です。


 

Kii companyは「さあ、地域を沸かそう」を掲げるONDOグループのDNAを受け継ぎ、東海・西日本を中心としたエリアで温泉を核としたまちづくり、サウナや宿泊施設の開発や運営に取り組んでいます。これまでは株式会社旅する温泉道場という社名で活動してきましたが、このたび2025年1月7日付けで『Kii company』へと、社名を変更する運びとなりました。

―どうして、「温泉道場」という名前が外れたの?
―Kii companyってどういう意味?

などご質問いただく機会も増えたので、このタイミングで、今回の社名変更に込めた僕の思いをお伝えできればと思います。

 

埼玉は“田舎”とはちょっと違った

「埼玉より、三重のほうが肌に合ってる気がするな」

旅する温泉道場(現:Kii company)の社長に就任し、三重を拠点に活動をはじめてから、ふとそんなことを感じました。和歌山県出身の僕にとって、三重は同じ紀伊半島に位置していますし、どことなく地元と似たような田舎感があります。

「埼玉って、いうても結構都会だったからな…」

温泉道場の本拠地がある埼玉県は、よく「田舎」「ダ埼玉」なんて自虐的に言ったり言われたりしていますが、和歌山出身の僕からすると、埼玉は、ほぼ東京。おふろcafé utataneで支配人をしていたころは、職場が大宮・家も大宮なので「めちゃくちゃ都会で働いている」感覚でした。

実際、埼玉の人口は約730万人、かつ大宮のあるさいたま市は132万人で、人口も増加中。一方、和歌山は県全体で87万人しかいない上、年間1万人のペースで減っています。和歌山県全土の1.5倍の人口がいる市や、10倍近い人がいて人口が増え続けている県を「田舎」と言われても、正直ピンときませんでした。埼玉から三重へ移住してきて、やっと「あぁ、田舎ってこれだよな」としっくりくる感覚がありました。

そんな僕が子会社の社長として三重に来ることになったのは、ある意味「巡り合わせ」のようなものです。

温泉道場では「2025年までに5人の社長を輩出する」というビジョンを掲げ、地域で活躍するリーダーを育成しています。その第一号として社長に就任したのが僕でした。実は、初めから「社長になりたい!」と考えていたわけではありませんでした。三重に子会社ができることになり、「誰か社長をやれる人はいないか」という話が持ち上がったとき、埼玉や関東出身の社員が多い中で、西日本に移住し、本気でコミットできるのは、和歌山出身の僕以外にいなかったんです。

 

移住したからこそ、広がった可能性

そんな経緯で三重に移り住んできたのですが、実際にここで活動をはじめてみると埼玉にいた頃とは視点が大きく変わりました。僕自身もずっと「埼玉って別に田舎じゃなくない?」という違和感を抱いていたわけですが、地方で地域を盛り上げようとしている方たちも、まさに同じ感覚を持っていることを実感しました。

それまで、温泉道場がローカルの温浴施設を再生していると聞くと、「いや、でも埼玉でしょ(都会やん)?」という反応をされることも少なくありませんでした。地方に住む方たちからすれば、大都市圏に本社がある企業は“別世界”に思えるのも無理はありません。

ところが、「埼玉の会社さんなんですよね?」と聞かれたとき、僕が「いえ、三重に移住して、三重で本格的にやっています」と答えると、相手の反応がガラッと変わるんです。「都会から新幹線で来たコンサル」という堅い印象を抱いて身構えていた人にも、「三重に住んでいるなら、うちの町とも状況が似ているだろうし、相談しやすいな」と親近感を持ってもらえるようになりました。そうした手応えを得るうちに、いつの間にか「温泉道場に頼みたい」ではなく、「宮本さんにお願いしたい」という声をいただくことも増えました。
 

実際に三重に腰を据えているからこそ、相手の心のハードルが下がり、深いところまで踏み込んだ話ができるようになったんだと思います。

 

「温泉道場」というブランド名を外した理由

今回、社名を「Kii company」へと改めるにあたって、これまで掲げていた「温泉道場」の名前を外す形になりました。もちろん、その知名度やイメージを手放すことには、迷いがなかったわけではありません。しかし、温泉道場自体もこれからは「ONDOホールディングス」を作り経営体制を一新し、新たな飛躍を目指そうとしている今こそ、僕たちも「この紀伊半島から、本気でやっていくんだ」という決意をしっかりと発信したいと思ったのです。

「Kii」という言葉は、僕たちが拠点を置く三重、そして僕の地元である和歌山、さらに奈良県を含む「紀伊半島」を表しています。ここは、人口減少が進み、地方の中でもハードなエリアです。でもだからこそ、「ここで成功できれば、ほかの地域でもきっと実現できる」という確信があります。温泉道場の名を掲げている限りは「埼玉の会社さんですよね?」という別世界感は拭えません。そこで、「そうじゃないんだ」ということを自分たちにも、そして社会にも示す意味を込めて、新しい社名を掲げました。

とはいえ、根底にある想いやビジョンまで手放したわけではありません。人を育て、「地域を沸かす」という想いはしっかり受け継ぎながら、「紀伊半島を代表する会社になる」という新たなミッションに向かって歩んでいきたい。そして、僕たちがこの場所で頑張ることで、他の地方で頑張っている人たちの勇気になれたら――、今回の社名変更には、そんな想いが込められています。

実は新社名として「紀伊藩」というアイデアも浮かんだのですが、三重・奈良・和歌山にとどまらず、全国や海外の企業と手を携えていくことを視野に入れると、グローバルにも通じる名称がいいと考えました。そうして生まれた「Kii company」は、地元から世界へ向けて一貫したメッセージを発信できる、僕たちらしい名前だと思っています!

 

世界から注目を集める紀伊半島の可能性 ~“未開発”が価値になる~

紀伊半島は地方の中でもハードなエリアではある一方で、まだまだ眠っている可能性を多く秘めているエリアでもあります。全国どこへ行ってもそれなりに整備の行き届いたきれいな街が増えた今だからこそ、あまり開発の手が入っていないこの地域には、「未開拓」ならではの魅力がたくさんあります。

たとえば、熊野古道や高野山、伊勢神宮といった世界遺産級の歴史・文化資源が点在しているだけでなく、豊かな自然や古くから続いてきた地域の暮らしが、今も残っています。これを「ただの田舎」と見るのか、「未開発だからこその価値」と捉えるのか。時代は明らかに後者へシフトしており、日本国内だけでなく、世界からも関心が高まっています。

また、一見、電車や新幹線ではアクセスしづらいように思われがちですが、実は関西国際空港や中部国際空港に挟まれています。国際空港が近いというのは、グローバルな視点で考えるとむしろ大きな強みになります。今後ヘリコプターなどの新たな移動手段が普及すれば、さらに可能性は広がります。

外資系企業の中にも、紀伊半島への投資に興味を持つところは少なくありません。しかし、地元で運営を担える会社や、地域資源を活かした観光振興をリードできる組織はまだまだ限られているのが現状です。だからこそ私たちは、紀伊半島に根ざし、着実に成長しながら、より多くのことに挑戦していきたいと思っています。地元の方々と向き合いながら、力を合わせて、その土地ならではの魅力を最大限に引き出していきます。

紀伊半島から全国、さらには世界へと熱を広げていく――
そんな未来を本気で描いています。


Kii companyは「さあ、地域を沸かそう」を掲げるONDOグループのDNAを受け継ぎ、東海・西日本を中心としたエリアで温泉を核としたまちづくり、サウナや宿泊施設の開発や運営に取り組んでいます。海や山、川といった雄大な自然や、世界遺産の熊野古道など、まだ注目されていない西日本の魅力を発掘し、人とまちをポカポカと元気にする取り組みを行っています!

Kii company では、あなたの“好き”を原動力に、紀伊半島・西日本の未来を熱くする“プロプレイヤー”を募集中です。人を楽しませたい方。まず行動してみる前向きな方。何かに夢中になれる方。私たちと一緒に、新しい物語をはじめませんか?

▶︎Kii companyの仕事を詳しく見る

宮本 昌樹MASAKI MIYAMOTO

Department
(株)温泉道場/(株) Kii company
Position
(株)温泉道場 取締役副社長/(株)Kii company 代表取締役社長

1986年生まれ、和歌山県出身。27才の時に地域活性を目指して株式会社温泉道場入社。趣味は旅行・温泉・日本酒。
支配人を2年間経験したあと、店舗リニューアル開発・コーポレートブランディング、フランチャイズ事業などを経て、HR部門に注力。2019年より、温泉道場グループ1人目の社長として、三重県の株式会社Kii companyの社長を兼任している。

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