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「場づくり」に興味を持ち温泉道場に入社。久保光太朗さんが、支配人になって感じること

クレスノ・ユード・ラハージョ

こんにちは。温泉道場リクルートチームのクレです。リクルートチームでは、現在、各店で活躍する支配人の皆さんにインタビューを行っています。今回は、久保光太朗さんにインタビューを行いました。

久保さんは2017年入社、現在はおふろcafé ハレニワの湯(以下「ハレニワの湯」)の支配人を務めています。温泉道場に入社した背景や、「チャレンジ支配人」に挑戦した背景などをお話いただきました。

「任せてもらえる」温泉道場のカルチャー

――どうして温泉道場に入社を決意されたんですか?

学生のときは、デザインを学んでいて、特に「空間デザイン」に興味を持っていました。就活も「場づくり」を軸として会社を探していたのですが、実はなかなか上手くいきませんでした。「どうしよう」と思ったときに、あらためて僕が何をやりたいのかを考え直しました。その時に、やはり「場づくり」をやりたいということに気づいたのですが、もう一つは「空間をつくって納品する」だけではなくて、「つくったその後も、使っている人たちの反応を知りたい、フィードバックを受け、更新していきたい」ということがわかりました。それから、既存のものをつくるよりも、まだ世の中にない新しいものをつくってみたいという気持ちが強かったんです。

就活を仕切りなおした時に、「日本仕事百貨」というサイトで温泉道場を知りました。その名前が印象に残って、面白そうだと思ったので会社説明会に参加してみることにしました。
会社説明会の時には、代表の山崎さんの「おふろはメディアです」という言葉が心に刺りました。温泉道場には「おふろから文化を発信する」という企業理念がありますが、おふろを通じて、地域の中のコミュニティのハブとしていろいろな人々を繋げている。それは、僕がやってみたい場作りのイメージや、自分が行いたい価値提供に近いなと思いました。「場づくり」のための力を身に付けたいと考え、温泉道場に入社を決意しました。

――入社してみて、どんなことを感じましたか?

入社2週間目に、社長の山崎さんから「会社案内のパンフレットを作ってほしい」という依頼を受けたんです。そのときに、温泉道場の目指すものをぎゅっと一枚で魅せることができるようなイラストも制作しました。それが「ビジョンマップ」です。

ビジョンマップの真ん中には川が流れていて、川のこちら側には温泉道場の事業として既に実現されているものを、向こう側にはこれから叶えていきたいことを表現しています。川には橋が架かっていて、二つの岸を繋いでおり、これから叶えていきたい夢をどんどん達成していこう、というメッセージを込めています。実は、入社しばらくして描いたものはほぼ達成したため、今使われているのは二代目のものです。今の温泉道場ではかなり「やってみたいと思っていたこと」を実現しているんです。

入社して1カ月の生意気な奴に、ビジョンマップという大切な役割を任せるなんて、山崎さんは本当にすごいと思います。今、僕もハレニワの支配人を任されていますが、人に任せるということは、とても勇気がいることだと実感しています。だからこそ、「任せる」ことを重視している温泉道場はすごいなと思います。

「実行者」としてやりきる大切さ

――印象に残っているお仕事はありますか?

私はもともとはハレニワの湯ではなく、「ときたまひみつきち COMORIVER」(以下、「コモリバ」)という宿泊施設を担当していました。入社6カ月後に、社内で「新しいグランピング施設を立ち上げる」という話になり、その開発チームになったんです。0→1で、施設の名前も、設備も、お客さまが楽しめるコンテンツも、ご案内の方法もすべてこれから考えるという状況でした。2017年ごろはまだ、「グランピング」という概念も世の中に浸透しておらず、参考になる施設も少なかったんです。もちろん、社内にグランピング施設をやったことがある人もいなかった。すべて手探りの状態から始まりました。それは、今も凄くありがたい体験だったなと思っています。

もちろん楽しいことだけではなく、大変なこともたくさんありました。コモリバはもともとは、「ときがわ町農村文化交流センター」という施設でした。


目の前に美しい川が流れているのですが、その河原が無許可・無料でBBQや焚き火に利用され、ゴミや焚き火跡の放置が問題になっていました。そこで、遊休地や不採算施設の再生を行う温泉道場が、その河原の管理と活用を行うことが決まりました。そして、2018年の夏に「ときたまひみつきち COMORIVER」としてオープンしたんです。

しかし、最初はその変化がなかなか伝わりませんでした。コモリバがオープンした後も、いままで毎年河原を利用されていた方達は「無料で」「自由に」河原を使えると思って、コモリバに来られます。でも実際はそうではないので、毎朝その方達にご説明とお詫びをしていました。その対応は正直しんどくて、毎朝出勤時にロックな音楽で自分を奮い立たせていました。

その時に、「何か物事を成すには、泥臭く頑張らないといけない」ということ、それから「いろんなことをいう人たちもいるけれど、『実行する人』『成り立たせる人』が一番すごい」ということを感じました。その後も、自然災害により河原のグランピングテントが流されてしまったり、川の地形が大きく変わったりしてしまったりと本当に大変なこともありました。でも、その機会を悲しみで終わらせず、「新しいことに挑戦するチャンス」と捉えていました。

「チャレンジ支配人」として感じたこと

チャレンジ支配人制度とは:
店舗運営の責任者である「支配人」に、自ら手を挙げ立候補できる制度。会社のサポートを受けながら、支配人としての自覚と責任を持って仕事を遂行。「決断経験」を積みながらスキルとマインドを一気に成長させることができます。支配人になるためにはいくつか条件がありますが、もっとも大切なのは店舗や会社をよくしたいという「熱い想い」と「覚悟」。「人材育成」をビジョンに掲げる温泉道場ならではのカルチャーです。

――現在「ハレニワの湯」の支配人を務めていらっしゃると思うのですが、チャレンジ支配人に立候補した背景を教えてください。

僕が支配人をやっている「おふろcafé ハレニワの湯」は、「日本一暑い町」埼玉県熊谷市にあります。ハレニワの湯は、「ボタニカル」をテーマに、おふろやサウナ、熊谷の美味しいお野菜を使った食事や、ファミリー向けの遊び場・イベントなどを提供するレジャー施設です。

2020年に、ハレニワの湯の前身の「おふろcafé bivouac(ビバーク)」に異動しました。そして、副支配人として企画、施設のリニューアルやサウナコンテンツの強化などに取り組みました。チャレンジ支配人に手を挙げた理由は、「副支配人の権限では関与できない」ことに関与したいと思ったからです。

もともと僕は、「空間」を持続可能にする「稼ぐ力」をつけたいと思い温泉道場に入社しました。理念や社会的意義だけでは、どんなにいい場所でも長期的な存続ができない可能性がある。だから、場を存続させるためのマネタイズに興味がありました。だからこそ、決裁の権限を持つ「支配人」になりたいと思いました。売上や利益に貢献するためには、どこの数字を動かせばいいのか、そのためにどんなアクションをとるべき、イベントをすべきなのか? そういったもっと深い部分を知りたかった。実際支配人になってみて、売上や利益を考えるうえで、支配人だからこそ触れられる情報や、掴める感覚があるなと感じています。

一年間チャレンジ支配人を経験しましたが、正直大変でした。ただ、孤独ではなかったです。支配人になる前は、孤独な仕事だと思っていたのですが、実際は上長に相談もできるし、社内の様々な経験をもった他のメンバーにも意見をもらえます。業務範囲も広いし、業務量も多いのですが、ハレニワの湯で働くメンバーに任せることもできます。

――ハレニワの湯で、これから取り組んでいきたいことはありますか?

ハレニワにいらっしゃるお客さまであっても、ハレニワで働くスタッフさんであっても、ハレニワを去るときに「いい時間だったな」と思ってもらえる施設にしたいなと思うんです。昨年度末、就職でハレニワの勤務を終えるスタッフさんから、「ハレニワで働いてよかったです」という言葉をいただいたのですが、その言葉がとても印象的で。その時に、「おふろcafé ハレニワの湯」の存在や、今自分がしている仕事の意味を感じたというか… ビジネスとしてもちろん「黒字」「赤字」などのという結果は大切なのですが、それとは別に、「ハレニワに過ごした時間、その過程が「よかった」ならばそれでいい。「ハレニワに来てよかった」という記憶を残せることに意義はあるのではないかと思っています。「儲かる」「儲からない」を超えて、「ここに来て『よかった』」と思える場づくりをしたいなと思います。

――温泉道場にはどんな人が向いていると思いますか?

温泉道場の魅力は、「最初から最後まで見れる」ことだと思います。自分がイベントを考えて、それをどうお客さまに届けるか考える。届けたあとは、それが刺さっているのかいないのかをダイレクトに感じることができる。トラブルが起こったときも、その全容を把握して、自分で考えて対処することができる。とても責任感がある仕事だと感じています。今は支配人2年目で、1年目より全容がわかってきて、だからこそ大変ですね。実は今は、昨年の自分が立てた予算に苦しんでいて…(笑) でも、「自分が決めたことだ」と思えるのはいいことです。

だからこそ、温泉道場に向いているのは、「面白がる力」「やりきる力」がある人だと思います。「普通おふろ屋さんではやらないこと」もします。実現が難しそうなアイデアも「面白い!」と感じ、実行に移せるかどうか。また、自分が始めた仕事を最後まで見届ける「やりきる胆力」が必要です。責任感をもってやり切れるか、頭で考えるだけではなくて体も動かし続けられるかが大切だと思います。

――ありがとうございました!

クレスノ・ユード・ラハージョRAHARDJO KRESNO

Department
The Ryokan Tokyo YUGAWARA
Position
マネージャー

インドネシア生まれ、インドネシア育ち。日本大学で国際関係を学び、インターンシップに おふろcafé utataneと出会えました。

露天風呂、料理、と祭りが大好き。いつか海外におふろcaféをオープンしたい。

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