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【転職物語】苦悩の仕事編

武藤崇之

 

伸びすぎた松の枝は、景観を損ねますな・・・。

温泉道場の武藤です。

前回の【転職物語】決意の移住編はいかがだったでしょうか。
今回はその続編となるお話となります。

えっ読んでないの?
じゃあこのリンクから飛んでね!!

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読んでくれたあなたへ
【転職物語】苦悩の仕事編、はじまりはじまり。

開発メンバーとして熊谷へ

2016年6月、初夏。入社半年がたちました。
9月に熊谷にて新たにオープン予定の
おふろcafé bivouacの開発メンバーとして僕は開発に参加しました。

SKL_外観スケッチ僕は「自分のデザイン力が試せる!!」とわくわくしていました。
だって入社時からうなぎのぼりで業務をこなしてきたので、さらなる飛躍を目論んでいたのですね。

そしてbivouac開発がスタート。

僕はもちろん制作とデザイン担当です。最初は基調となるフォントやコンセプト色を開発のリーダーである宮本さんと相談しながらサクサクと決定して行きました。

おふろcafé bivouacのコンセプトは「おふろ×café×グランピング」です。聞きなれない言葉かもしれませんがグランピングとは豪華なキャンプのことでして、グラマラス(豪華な)とキャンプを組み合わせた造語なのです。開発の準備段階ではアウトドアやグランピングをテーマとした施設へ視察に赴き、開発チームのメンバーはグランピングやアウトドアの知識と経験を深めて行きました。

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本格的なアウトドア料理を自分たちで作って食べたりなんかもしました。

視察で学び、デザインでアウトプット、疲れる、帰宅、寝る。

といった感じで日常を過ごしていました。文字に起こしてみるととても楽しそう!!

しかし、ある時からおふろcafé bivouacの「開発」は僕にとって苦悩の連続となるのでした。

サクサクデザイン出してゆくぜ!!

仕事ができる僕はサクサクと業務をこなして行きました。

サクサク・・・・
サクサク・・・・
ザクッ・・・・

「あれ?」

ザクッ・・・・

ある日から仕事が全く前に進まなくなってしまいました。自分でもなぜ仕事が進まないのか理解が出来ません。とにかく前に進まないのです。しかしながら冷静沈着な僕は・・・

「まぁどうにかなるだろう」
「いつか終わるだろう」

と大きく構えます。

そうして進まぬ仕事は一旦脇へ置き
「こっちの仕事のデザインをやってみようかな。」
「あっ!!こっちもやっとこ♪」
という感じで業務全てに手をだし始めました。

え? 武藤さん全然進んでないじゃん?どうゆーこと?

bivouac開発チームでは開発会議が一週間に一度開かれます。そこでは全体の進捗や、決定事項、変更点、個々の業務進行状況を確認し、修正して行きます。

もちろん当時の僕は、進まぬ仕事は一旦脇へ置くというプロフェッショナルな仕事の進め方をしていたので、開発会議でぼろが出てしまいます。
山﨑社長や、上司の宮本さんから質問が飛んできます。

山﨑:「武藤さん、あの〜件ってどうなっている?」
宮本:「なんで進んでないの?」
山﨑:「いつまでに終わるの?納期は?見積もりは?」
宮本:「武藤さん、起きてる?」

武藤:「・・・・・・・・・」

はい、全て答えられません。
「沈黙」でした。

「それでも、いつか終わるだろう・・・。」

僕の心の大部分を不安が覆いかぶさりました。

しかし会議が終わると僕みたいな人間は急に冷静になるのです。

武藤A「やべーよ。どうする?」
武藤B「いやいやこれ位のこと前職で乗り越えたっしょ!!」
武藤C「そうだよ!!どれだけ今までデザインしてきたと思ってんだよ!!」
武藤「でもなあ・・・全然進んでなくない?」
武藤ABC「・・・」

 

 

 

武藤D「君ならできるよ!!元恵比寿のデザイナーくん!!」

武藤「だよねー!!恵比寿だよねー。大丈夫だね!!Thank you!!」

そして次の週でまた沈黙・・・。

なぜ進まぬ!! と悩んでは沈黙、悩んでは沈黙と・・・
その頃の僕の目標は、開発を進めるということよりも
来週の会議を乗り切ることへと意識が変わっていました。

 

結局そんな状態がずっと続き、bivouac開発では仕事の仕方がわからず、お荷物状態のままプロジェクトリーダーの宮本さんに納期などの進捗管理をすべてしてもらうことに。宮本さんや他の方々の手助けもあり、bivouacオープンまでにはなんとか制作物が一通り間に合ったという感じでした。

開発が終わって僕は一人、

ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!
やっちまった。。。。
という感じでした。
なんで仕事がうまく進まないのか、その時もまだ理解できていませんでした。

重大な欠点について

デザイン会社からきた僕には、社会人として重大な欠点がいくつかありました。
その一つが、「仕事の領域」の問題です。
開発という仕事の領域や定義は実はぼんやりとしています。それにこの仕事は
「自分から仕事に歩み寄り、仕事を奪取する」ことが重要でした。
どういうことかと言いますと・・・
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前職ではずっと短納期のデザイン業務しかやってこなかったこともあり、長期間の開発チームのデザイナーの仕事の進め方が分からなかったのです。
「デザイン制作以外のタスク管理や仕事の仕方」「取引先との見積もりの取り方、採寸」「納期を自分で設定しての管理」などなど初めてのことばかりでした。(敬語とかビジネスメールを書いた事がなかったため電話やメールでもかなり時間を使いました)
デザイナーと、開発のデザイナーの仕事領域が違いすぎて僕は、結果的にデザイン以外の仕事を放棄していました。故に仕事が進まなくなっていたんですねぇ。
その中でも僕が特段苦しんだことは、
「0→1」を作ることです。
前職時代のデザイン業務は、ブランドアイデンティティが確立している製品や企業が対象だったのである程度のイメージで制作を進めることができました。
しかし店舗開発は全くの新しいブランドやコンセプトを創造して行かなければなりません。0状態のものから1を生み出すことが開発チームのデザイナーの仕事領域なのです。
つまりその仕事は全く新しい価値観を生み出すことなので
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のです。デザイン制作(ここでは、DTPオペのこと)だけを進行していると何にも生まれないのですね。山﨑社長や宮本さん、お客様を納得させるだけの「0→1」が必要だったのです。
もちろんそこにはターゲットや土地柄、文化などのマーケティングなことから売り上げ等を総合的に考えて導きだす「デザイン」が必要なのです。そのことに気がつけず・・・・、いや自分のデザイナーとしてのキャリアがその仕事の領域を認められずに、ずるずると最後まで行っていまい、仕事が進まなくなってしまったのです。

そして

辞令
熊谷の おふろcafé bivouacにて店舗勤務

僕はこうなるだろうと半ば覚悟はしていましたがやはりショックでした。
「せっかくときがわ町へ移住したのに(通勤10分だった・・・)」という気持ちと「このままでは、ヤバいよ!!」「仕事の仕方や見方を変えるんだ」と自分の立場と仕事に対する価値観を変えなくてはならないということに本当に気づき始めました。
そして僕は、この失敗から働き方を変えることに意識を向けることへ注力することにしました。「デザイナーと店舗スタッフとしての二足の草鞋を履いてどうやって業務をこなして行くか・・・。」ここからが飛躍の時です。

やはり僕は・・・

いかがだったでしょうか。

僕の「転職物語」

今回は、苦悩の仕事編で終了ですが次回このブログにて「復活編」や「躍動編」「給料マシマシ編」など書けるように、今は熊谷にて精進しております。
そうそう、実は三重県にもちょっこし顔を出しておりましてそちらの状況も今度紹介させていただきます。

最後に、この前のbivouacの制作で宮本さんに確認をお願いした時のFacebookのやりとりを。
 

「信頼しているそうです。」やはり僕は、うなぎのぼりですね!!
それではみなさんお元気で!!

武藤崇之TAKAYUKI MUTOU

Department
Position
クリエイティブディレクター

クリエイティブディレクター/2018年 Gooddesign賞を受賞//埼玉県ときがわ町在住

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