100年以上の歴史を誇る埼玉県立児玉高等学校。本庄市にあるこの学校は、普通科に加え、生物資源・環境デザイン・機械・電子機械といった専門学科を併設する、地域に根ざした高校です。
今回、同校・生物資源科の総合実習の授業に、おふろcafé 白寿の湯支配人(兼料理長)佐藤良が講師としてお招きいただきました。当日の様子をレポートしていきます。
生物資源科の学びのステップ
生物資源科では、学年ごとに段階的なプログラムが組まれています。
1年次:農業・飼育・植物などの基礎知識を学ぶ
2年次:実習を通して応用・発展
3年次:さらに専門分野に分かれ、より高度な知識と経験を積む
今回の授業は、まさにその“実践”の時間。生徒のみなさんが育てた黒豚・野菜・卵を使い、調理実習を行いました。

「自分たちが育てた食材」でつくるピカタ
今回のメニューは「ピカタ」。大切に育てられて卵の黄身は色鮮やかで、野菜は味が濃くとても新鮮です。


豚肉の脂身に塩をふるタイミングや火入れの工夫など、食材の旨みを引き出すためのプロの視点もお伝えしながら授業は進みます。3班に分かれて調理開始。料理長が見守るなか、生徒のみなさんは真剣な表情で向き合っていました。

こんなに美味しそうなピカタが完成しました!

価値はどう生まれるのか
調理実習の中で印象的だったのは、先生のお話です。
一次産業だけでは価格はなかなか上がらない。しかし、加工や調理、さらにサービスとしての付加価値が加わることで、つくったものの価値は広がっていく。その工程をしっかり経験してほしい――。
この言葉は、私たち温泉道場が日々向き合っているテーマとも重なるように感じます。
温泉道場の「フードテックラボ」との接点
温泉道場には、各店舗の料理長を中心とした横断チーム「フードテックラボ」があります。
フードテックラボのモットーは、「料理を通じて、地域の食材の良さや食文化を伝え、魅力を発信すること」。各店のコンセプトを活かしながら、地域性や季節感を大切にし、グランドメニューや季節メニューの開発を支援しています。それは、温泉道場の企業理念である「おふろから文化を発信する〜地域を沸かせ〜」にも直結しています。

今回の授業は、“育てる”から“届ける”までの価値のつくり方を、生徒のみなさんと一緒に考える時間でもありました。
命をいただく、ということ
もう一つ印象的だったのは、生徒のみなさんが比較的早い段階から、自分たちで育てた黒豚や鶏を「食べるところまで」経験していることです。
私たちは普段、「食べる」という最終工程だけを体験することがほとんどです。そのため、食材がどのような過程を経て目の前に届いているのかを、日常の中で意識する機会はそれほど多くないように感じます。しかし、生物資源科では、それが特別な行事ではなく、日々の学びの延長として自然に組み込まれていました。
・育てること
・向き合うこと
・調理すること
・そして、味わうこと
その一連の流れを日常的に経験し、生産の現場に立っているからこそ、食材の背景や、私たちの手元に届くまでの全工程を理解している。その姿勢が、とても印象に残りました。今回の授業では、私たちが「教える側」として伺いながらも、むしろ生徒のみなさんから学ばせてもらう場面が多くありました。

そして改めて感じたのは、温泉道場の役割についてです。食材の背景や、生産者のみなさんの想いも含めて、料理やサービスを通してお客さまへ届けていくこと。一次産業の現場と、食を楽しむ場をつなぐ存在として、その価値をどのように伝え続けていくか。今回の出張授業は、私たち自身がその問いと向き合う時間にもなりました。

引き続き、温泉道場では、こうした研修や様々な制度を通じて“地域を沸かす人材”の育成と輩出に重きを置いていきます。少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひ採用ページもご覧ください。
