ONDO

【裏話】おふろcafé utataneの「サウナコタ」は大ブーイングから始まった!?

新谷 竹朗

サウナの前には水通しする派。「おふろcafé utatane」支配人兼フィンランドサウナアンバサダーの新谷です!

 
663A0821-7BDC-40E4-8B6A-DCD6368EA0BC_1200

2019年6月に おふろ café utataneに登場したフィンランド式の蒸気浴室『サウナコタ』。完成したら記事にしようと思っていたのですが、オープン後も格闘の日々でありまして…。2カ月経ってしまったのですが、今だからこそ語れる赤裸々エピソードもまじえて『サウナコタ』をご紹介します!

そもそもなんでサウナコタを作ろうと思ったのか?

ずばり、僕が毎日セルフロウリュしたかったんです! まじです(笑) おふろcafé utataneには、オートロウリュ機能付きのイズネスサウナがありますが、

次のロウリュまで1時間も待ってられない。
もっとストーンが鳴く音を聴きたい。
立ち昇る湯気を拝みたい。
熱々の蒸気の波を浴びたい。

にわかにサウナブームでサウナ施設やイベントが増えてきたとはいえ、男女ともセルフロウリュできる施設は関東でわずか6件(2019年8月 サウナイキタイ調べ)。まだまだレアです。思い立ったらふらっとロウリュできる世の中になるよう、僕もセルフロウリュを布教したい。

僕は、おふろcafé utataneを通じて、日本のサウナ人口を増やせると本気で考えています。当館には、お風呂屋さんが生まれて初めてという10代〜20代が多くいらっしゃるので、次世代のサウナユーザーを輩出するポテンシャルが高い! そんな方々に低温高湿のフィンランド式サウナを味わっていただき、セルフロウリュネイティブを育てたいのです。
 

しかし立ちはだかる試練の壁

sauna
当初は、おふろcafé utataneの既存のサウナ室を改造する計画でした。着手前にお客様の反応を探る実験として、サウナ室のテレビを消して照明を減らして、白樺を吊るす演出してみたところ・・・なんと常連様から大ブーイング! 暗くて時計が見えず感覚が狂う。テレビ無しでは間が持たない。気分が良くない。臭い…。そんな声が挙がり、ハッと気付かされました。常連様はいつものサウナ室を愛しており、その日常を奪ってはいけない。フィンランド風を押し付けてはいけないのだ、と。

そこで、既存サウナ室には手を付けず、それならいっそ、浴室内にセルフロウリュ専用の小屋を新設できないか。既存のウッドデッキ上に載せられる小屋の構造、安全面を考慮したストーブ、熱々のロウリュを受けられるベンチの配置、初めての方に関心を持ってもらえる外装、などなど議論を重ね、なんとか決行に至りました。

 

完成までの過程を公開!

IMG_4737_1200
まずはビフォア。小上がりのウッドデッキスペースは10平米程度の広さです。
 
IMG_4756_1200
ここにログハウスを組み立てます。フィンランド産のパイン材を1本1本運び、職人さんが木槌で叩いて組み上げていきます。
 
IMG_4769_1200
続いて、ちっちゃいハケで手塗りします。フィンランド製のくすんだブルーの塗料が可愛くてテンション上がります。(塗装ミスったところがあるので現地でこっそり探してみてください)
 
IMG_4868 2_1200

 
IMG_4854_1200
内装。ベンチを高く設け、階段でアクセスします。ベンチに座ったままロウリュできるよう、ストーブを下に調整します。興味津津のメンバーが集まってきます。
 
kota

 

こうして出来上がったのがコチラ!

そして出来上がったのがこちらです…感慨深い…。

 
サウナコタ_1200
名前は『サウナコタ』としました。kotaはフィンランド語で小屋。そのまんまなのですが、親しみやすい響きと見た目がピッタリだと思いました。

 
サウナコタ内装_1200

しかし旅はまだ始まったばかり

セルフロウリュ_1200
2019年6月のオープンに喜んだのも束の間、トライ&エラーの日々が始まりました。

  • 何の小屋か警戒されて、扉を開けるもそっ閉じするお客様。
  • 濡れタオルをぎゅっと絞るお客様。
  • 柄杓に取った水を、身体に掛け水するお客様。
  • 普段のサウナよりぬるくね?とロウリュしまくってストーブ終了のお知らせ。
  • バケツが空になると内線が掛かってくる。
  • バケツ、ひしゃくが熱くなりすぎる
  • 階段が濡れて滑りやすい
  • 階段のLEDが濡れて発色異常
  • サウナマットどうするのが正解なのか迷子
  • BGMあり派、なし派論争。

挙げ始めればキリがなく、全て私の準備が至らないところです。フィンランド式・セルフロウリュといった、日本に浸透していない文化を発信するための成長痛だと思っています。また、日本のロウリュ文化を開拓した先代を本当に尊敬します。

 

そしてそれから2カ月経っての変化!

その1: ロウリュの体感温度がより熱く、より持続するようになりました!
ログ木材が湿気をたっぷり吸ってコンディショニングが進んでいます。正直、オープン当初は拍子抜けのぬるさだったので、今は良くなってきてホッとしています。サウナ室の今後の成長も楽しみです。

その2: 常連様のロウリュリテラシーが向上!
「ひしゃくの水はストーンにそっとかけるように。」「ストーンがヌルくなっているので今ロウリュは控えて。」常連様が初心者に手ほどきするといった、お風呂屋さんならではの交流がサウナコタで復活しています。そのうちロウリュマナーを取り締まるヌシが生まれるのでは?

その3: ネオンサインがつきました
ヘルシンキのコティハルユサウナやクルットゥーリサウナを見てずっと憧れていた「SAUNA」ネオンサインをサウナコタの外装に取り付けました! サウナにネガティブな印象を持っている方のイメージを覆すカジュアルな外観で興味を持ってもらえたら嬉しいです。

 
IMG_7004_1200
僕はサウナコタを一種のコミュニティだと考えています。憩いの場であり交流が生まれる場を、お客様と一緒に育てていきたいです。僕も2〜3日に1回は出没しているので、サウナ室でお会いすることがあったらご意見聞かせてください〜。

新谷 竹朗TAKERO SHINTANI

Department
Position
営業副本部長

石川県金沢市出身。フィンランドを一人旅した際に偶然立ち寄った公共サウナに一目惚れし、温浴業界を志す。現在、おふろcafé utataneの支配人として販促・イベント企画を担当。新婚旅行もフィンランドでサウナ三昧で、その際持ち帰ったテントサウナでイベントを主催し布教活動中。薪ストーブOKの水辺あったら教えてください。

・フィンランド観光局認定フィンランドサウナアンバサダー

RECOMMEND

同じカテゴリの記事一覧

RANKING

CONTACT

ONDOでは、地域活性に関する事業や、施設運営のご相談、
ともに地域を沸かしたい方からの採用のお問い合わせなど
随時受け付けております。
どうぞお気軽にお問い合わせください。